デジタルブックが明かすノウハウ
また、それだけでなく、夏でも風邪をひきやすい、冷え症ぎみ、体温が低い、よく眠れな、いつも汗がだらだら出てしまう、などといった症状で悩んでいる半健康状態の人も多い日本人を襲う現代病、とりわけアトピー、花粉症、じんましん、ぜんそくといったアレルギー疾患の急増は、各種の統計的データからもその実態の一端が見て取れます。
厚生省のアレルギー総合研究事業による調査(平成4?6年度)では、日本のアレルギー疾患有病率は各世代を通じて人口の約釦%であることが示されています。
小児ぜんそくは、過去加年間で1~2%から5~6%へと増加しています。
子供だけではありません。
成人のぜんそくは過去別年間で1%から3%へと、こちらもたいへんな増加ぶりです。
アトピー性皮層炎についても、小児のみならず成人においても最近は増加しており、20%を超える有病率が報告されています。
スギ花粉症を主としたアレルギー性鼻炎も同様です。
こちらも戦前はほとんど見られなかったのに、今では人口の、%が病気にかかっているといわれています。
これらは全国調査ですが、都市部ではさらに病気になっている割合がグンと高くなっているようです。
例えば東京都が平成8年度に行った調査を見ますと、都民のおよそ5人に1人の4%がスギ花粉症患者で、過去加年間で約2倍に増加したことが判明しています。
快適なクルマやエアコンの普及。
経済活動が別時間になり、夜型生活や深夜の就業の増加。
化学物質でできた製品の氾濫。
ゴミの処理などによる環境の悪化。
かも、年齢別では釦?仏歳でスギ花粉症患者が最も多くなっているのです。
さらに東京都の調査では、「都内の3歳児の4割以上がアレルギー疾患」との報告もされています。
この調査では、先の厚生省の全国調査(アレルギー疾患有病率帥%)の数値を大きく上回っていることが指摘されています。
その内訳は「アトピー性皮層炎」が肥・0%と最も多く、続いて「じんましん」妬・0%、「ぜん息」9.5%、「食物アレルギー」9.4%などの順で、複数のアレルギー疾患にかかっているケースも多いことが判明しています。
日本人が今おかれている生活スタイルに起因する現代病。
では、近年これらの病気がなぜ増えてしまったのでしょうか?これは、なんといっても、日本人におけるライフスタイルの変化がまず原因としてあげらます。
経済的に豊かな生活をすることが、新たな病気をつくりだしているのではないでしそのうえ情報化社会、リストラ、不況というたいへんな社会的なストレスが、私たちの周囲をぐるりと囲い、圧迫しているのです。
その結果が、子供の低体温、女性の基礎体温低下による不妊症や冷え症、慢性疲労症候群、冷房病、そしてアトピーや花粉症といったアレルギー疾患につながっているといえます。
これらの病気は、すぐに命にかかわるようなものではありませんが、いずれも免疫力の低下が根底にあり、軽視は出来ません。
こうした場合には、例えばちょっとした風邪がもとで肺炎を引き起こしたりして、命を落とすケースも少なくありません。
また、病院に通っていて、さらに別の病気に感染してしまう院内感染という恐ろしい事態も珍しくないのです。
その時点では重大な病状でなくても、中医学の立場から見れば、とても危険な徴候である場合があります。
それは、人間が本来持っている免疫力の低下という由々しき事態を意味しており、自らの生命を脅かす病気や病原菌、ウイルスなどの侵入を防御してくれる力が衰退これらひとつひとつが、運動不足、不規則・不摂生な生活、体温調節がうまくいかない「クーラー病」、大気汚染からくる疾患、睡眠不足、食べ物によるアレルギーといった諸問題を引き起こし、さらにそこからさまざまな国民病ともいえる現代病を引き起こしているといえます。
中医学の考え方でとても重要なものに、「異病同治」があります。
中医学では、疾病の本質に対して治療することを重視します。
見かけの病状は異なっていても、その病気の原因が同じである場合、同じ方法によって治療します。
この観点からしますと、今の日本人を襲っているアトピー性皮層炎や花粉症、ぜんそくなどの難病は、実は同じ原因から引き起こされたものと考えられるのです。
そのひとつが、最近話題となっている「免疫力」の低下、あるいは免疫機能の変調が引き起こす症候群といえ最近しばしばテレビや雑誌の健康もので、免疫という言葉を見聞きします。
人間は、本来は常に周囲の環境に適応して健康に生きられるように、体の中に侵入してきた病原菌やウィルスなどを死滅させたり、体内の変異細胞を排除する防御システムを持っています。
この防御システムが、免疫といわれるものです。
そのため、免疫力が強ければ、周囲の環境に対応でき、風邪をひかなくなるのです。
中医学では、急増している花粉症やアトピー性皮層炎、ぜんそくなどの根本原因は同じと見ています。
いずれの病気も、肺系の病気であると考えるのです。
中医学でいう肺系とは、皮層、毛や毛穴、鼻、気管支、肺など、呼吸に関係の深い機能を指します。
これら体表にある皮層、皮下組織、鼻、気管支などを有機的につないで、環境に適応させえきる機能を、中医学では「衛気」といいます。
あるいは、人体が本来は持っている免疫力や抵抗力のシステムのなかで、特に体表(皮層・粘膜)の部分を巡回しながら守っている生体エネルギーといってもいいでしょう。
そして、肺系を巡る衛気の不足が免疫調節能力の低下につながっていると認識しているし、免疫機能の複雑なところは、同時に過剰反応をも引き起こすことです。
先に述べましたアトピー性皮虐炎、花粉症、ぜんそくなどのアレルギー疾患は免疫の過剰反応から起きる病気なのです。
不足、過剰の違いはあるものの、いずれにしても、本来は持っているはずの免疫調節能力が低下していることに変わりありません。
さまざまな現代病の発症は、実は第一線で体を守っている「衛気」の不足に起因しています。
したがって普段からこの衛気不足の状態にならないことが大事なのです。
「自分の体は自分で守る」、つまり病気になってしまう前の予防対策が大事であるという。
中医学には「未病先防」という考え方があります。
未病の段階からの治療こそが、医者としての腕の見せどころです。
何千年にもわたって診察してきた経験を活かし、体の表面にあらわれるさまざまな病状の変化をつかみ、患者の訴えやその顔色、声などから病の本質を判断して、治療を行います。
このように中医学では、病気になる前の半健康状態の段階から、積極的に治療を施し、発病を未然に防ぐことを中心に据えています。
以前、テレビの大河ドラマで「北条時宗」を放映していましたが、あの「元冠の役」で日本は一回目は外敵の上陸を許したものの、二度目の襲来の際、沿岸に防塁を築いて国を守りました。
同じ目的の防壁として、中国には「万里の長城」があります。
日本も中国も、国境の守りを固めて外敵の侵入を防いできた歴史があります。
人間も同じです。
まずは、人体の第一次防衛ラインに相当する衛気の働きを強化して、外敵Ⅱ病原菌等の侵入を防ぐことが大切です。
敵が上陸してから戦いを始めるのと、水際で侵入を食い止めるのとでは、それに費やすエネルギーや犠牲の大きさに雲泥の差があります。
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